XMではロスカットラインが設定されており、ラインを超えた損失が出ると強制的に約定されてしまいます。多額の含み損を抱えた状態で約定することになるため、抱えてしまう損失もまた大きくなるので、できるだけ避けたいところです。そうしたロスカットを避けるには証拠金維持率などの証拠金をしっかりと計算することが大切となりますので、証拠金維持率に使用する証拠金などの計算式をこれから説明します。
◆XMで利用する証拠金維持率とは
ロスカットによる損失を防ぐには証拠金維持率を計算して、自身が置かれている状況を把握することが大切です。
・証拠金維持率の計算には有効証拠金と必要用証拠金を計算する必要がある
証拠金維持率とは「取引の証拠金に対する資金全体の割合」を示した数値です。一般的に証拠金維持率の数値が高いほど取引に余裕があることを示します。逆に証拠金維持率が低いと資金状況が危ういということになりロスカットなどが発生しやすくなります。どれくらいの状況なのかを知りたいときは「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100(%)」の計算式を用いればわかりますので試してみてください。
・有効証拠金はどれくらい余裕があるのかを示すお金
証拠金維持率の計算に使用される有効証拠金とは、簡単にいうと「取引にどれくらい回す資金があるのか」を示すお金のことです。計算式は「口座残高 + 評価損益 - 出金依頼金」となります。計算式で用いられる評価損益とは現在ポジションを保有している通貨の評価益と評価損を合計したものであり、出金依頼金とは出金する予定の金額となっています。
証拠金維持率を計算するときに「実際に出金されるまで証拠金維持率は下がない」と思っている人も多いですが、XMでは出金依頼をして受理された時点で、取り出す金額分差し引かれるようになりますので気をつけてください。なお出金依頼を途中でキャンセルされたり、何かしらの事情で出金できなかったりすると下がっていた有効証拠金ももとに戻るようになります。
・必要証拠金は現在の取引で担保にしているお金
証拠金維持率の計算に使用される必要証拠金は、「現在取引している通貨を保有するのに用意しなければいけない証拠金」を表しています。取引においてレバレッジを仕掛ける都合上、担保にするお金を用意する必要があり、取引するときにXMに渡すお金が必要証拠金となります。計算式は「約定時の価格 × 1ロットの通貨枚数 × ロット数 ÷ 最大レバレッジ」です。
計算式において注意してほしいのが約定時の価格を使用するということ。通貨などは刻一刻と価格が変動しているため、その時の価格である時価が注目されがちですが、必要証拠金では約定時の価格で計算をします。約定時の価格から大きく変動が起きることもありますので、証拠金維持率を計算するときは約定時の価格を忘れずにメモしておきましょう。
◆XMで証拠金が不足しないために計算すべきこと
証拠金維持率の計算をすれば今の資金状況がわかります。今度はどんなことをすればよいでしょうか。
・どれくらい損失がでてもいいかを計算する
FX取引ではリスク管理が儲けるうえでは欠かせないので、どれくらい損失がでても大丈夫なのかを計算しておくのが重要となってきます。ここではロスカットが発生するまでの金額について計算をします。たとえば「ドル円が120円」「1ロット(10万枚)」「有効証拠金が10万円」あったとしてどれくらい損失がでたらロスカットが起きるのかを計算してみましょう。
XMでの強制ロスカットは20%です。今回のケースでは必要証拠金が約13500円なので「13500 × 0.2 = 2700円」となり、有効証拠金が2700円になるまで取引ができるということになります。現在の有効証拠金が10万円なので「100000 - 2700 = 97500円」であることから、9万7500円までの損失ならば許容できることがわかりました。
10万通貨での取引に対する1pipsは1000円なため、「97500 ÷ 1000(円/pips) = 97.5pips」ということになり、97.5pips以上の損失が発生すれば強制的にロスカットがおこなわれることになります。ほかの通貨の含み益や含み損、使用する口座やレバレッジによって計算に使用する値は異なり結果も変わってきますが、計算式自体は同じなので、自分の資産で許容できる損失額がどれくらいなのかを調べてみてください。
・もしもロスカットが近いことに気づいたら
上記の損失許容額を計算してみたところ、思っていた以上に自分の状況がやばいことに気づくこともあるかと思います。ロスカットは入金すれば回避できますが、手元にお金がないというケースも少なからずあります。そうしたときはどうすればいいでしょうか。
方法は大きく分けて2つあり、1つは「両建て」をすること。買いポジションを所有している方であれば同じロット数分売りポジションをもつなど、両建て状態にすれば証拠金維持率が一時的に0%となりロスカットの発生が防げます。ただし両建て状態は価格がどう転んでも利益がでない状態であり、かつスワップポイントやスプレッド差などよってどんどん損失が大きくなっていくこともあります。そのため両建てをするときは「xxx円になったらすべて約定して仕切りなおす」など出口戦略をしっかりともつようにしましょう。
2つ目は「XMP」を使用する方法です。XMでは取引のたびにXMPというポイントが貯まるようになっており、ためたポイントをクレジット化すれば、入金したお金と同様の扱いとなり取引へと使用できます。あるXMPが程度貯まっていることが条件となりますが、両建てとは異なりノーリスクでおこなえるのがメリットです。
◆まとめ
ロスカットによる損失の確定を避けるには「損をしない取引だけをすればいい」と思うかもしれませんが、不可能といってよいでしょう。リスクの低い国債であっても国家が破綻すれば無価値になるように、投資には少なからずリスクがありFXもまた例外ではありません。もし仮にまったく損をしない取引があるとしても、すぐに多くの人に知られ手を出されるようになった結果、競争などが発生してリスクが誕生するようになります。
そのため投資をしている以上リスクについて考える子は避けて通れないので、FXではリスクとしてあげられるロスカットを防ぐためにも、証拠金の計算や管理はしっかりとおこなうようにしましょう。