プログラムに沿って行動するEAは人の感情やバイアスが入らずに取引することから、利用するトレーダーが増えています。EAの勝率を見ると6割以上勝っているものもあるため利用するだけで利益が得られるように見えますが、そうとも限りません。
導入すれば多額の利益がゲットできると夢見てEAを導入したにもかかわらず、損失しか出ないという人がいるからです。彼らはどこで失敗したのでしょうか。今回はXMでFX取引に使用するEAで失敗する理由について説明していきます。
◆XMで使用するFX取引用EAの選び方で失敗しているケース
利益を上げたいならばEA選びは重要です。では失敗するときはどんな選び方をしているのでしょうか。
・広告を見てEAを決めている
XMなどFXのことについて記載しているサイトでは、たまにEAを広告などで紹介しています。そうしたものを見て直感的に入手して使用するのは避けるようにしましょう。
基本的に広告に出てくるEAは性能が過大評価されています。勝率や利益率がよいように見えますが、数字をもっている可能性があります。たとえば勝率であれば、含み益が出ているものは約定する一方で、含み損が出ているものはそのまま保持することです。約定したときに勝ったか負けたか決まるので、約定しない限りは勝率に影響することはありません。そうした数値の抜け道を利用して数値をもっていることがあるので注意が必要です。
もちろん広告に出ているEAがすべて悪いわけではありません。広告に出ているEAでもいいものはありますので、そうしたものを使用できれば利益は上げられます。
・自分の状況とEAのスタイルがあっていない
EAを探すときはEAの取引スタイルと、自分の状況があっているかどうかも必ずチェックしてください。
自分の状況というのは、自身のFX取引に対する経験値です。たとえば初心者の場合は、取引経験がないことから利益額よりも取引を続けるモチベーションになる勝率のほうが重視されます。上級者の場合は、すでにある程度取引に対するモチベーションをもっていることから、勝率よりも利益額のほうが重視されます。
経験のあまりない初心者が、利益額を重視するハイリスク・ハイリターンのEAを導入すると、途中で発生する損失などで心配が増えてしまい、取引そのものを続ける意欲がなくなる恐れがありますので注意が必要です。
EAを導入するときは自身の状況を客観的に観察し、どういったEAがよいのかを理解してから探すようにしましょう。
◆XMにてEAでFXの運用で失敗するケース
選び方がよくても失敗するときがあります。道具がよくても使い方がよくなければ十分なパフォーマンスが出ない場合もあるからです。
・本当に放置する
「放置していても利益を上げられるのがEAのよいところ」と思っている方も多いでしょう。この話は事実であり、仕事などで逃してしまう機会もEAであれば拾い上げてくれるため、放置していても大丈夫となります。
ただし完全に放置してはいけません。 導入すれば後はうまくいくだろうと放置してしまうと、多額の損失を抱えてしまうことがあります。
EAはプログラムで定めたルールにのっとって自動で取引をしますが、すべての状況に対応してはいません。プログラムが想定していない状況や苦手な状況に遭遇したときは、適切な処理ができないという現象も発生します。
そうした悪い状況下では人間が判断して切り抜け無ければいけないのですが、EAに任せっきりでいるとそのままずるずると悪い方向え流れていく恐れがあります。
EAを信頼するのはよいことですが、任せっきりにはせずに定期的に状況をチェックするようにしましょう。
・運用資金が少ない
中期や長期などある程度長い期間にわたってFX取引していく場合は、運用資金にも注意が必要です。FX取引で使用する運用資金が少ないと、EAの運用に失敗する恐れがあります。
FX取引にはロスカットという仕組みがあり、損失が一定割合以上になると自動的に全ポジションを開放するというものです。ロスカットは運用資金が少なくなるほど発動しやすくなります。
中長期で運用するEAの場合、最終的に利益が得られることをゴールにしていることから、途中で発生する損失はある程度切り捨てていることがあります。言い換えれば取引中に損失を抱えることがあり、最終的に利益を得るにはそうした途中で発生する損失は受け入れなければいけません。
そうしたことを踏まえて、運用資金が少ないとどうなるでしょうか。途中で発生する損失を抱えきれず、ロスカットが起きてしまい、将来的な利益も得られにくくなります。
EAを運用するときはそれなりの運用資金を用意するようにしてください。
・損失が出たらすぐに約定してしまう
野球やサッカーなどのスポーツでは、常に優勝する強豪というのがいます。ですがそうしたチームも常に勝つことはできず、ある程度は負け数が積み重なっています。(それでも勝ち数のほうが圧倒的に多いですが。)
XMなどで使えるEAも同じで、常に勝てるようにはなっていません。途中で損失を抱えつつも挽回して利益を増やすことを目指します。ですので、チェックしているとき損失が出ていたとしても、すぐに損切などをせずに状況を見守るようにしてください。
もちろん損失が出たら即座にカットするというのは、決して悪いことではありません。むしろ状況が悪くても切る捨てられない人は多いので、即座に損切ができるというのは素晴らしいことです。
ですがEAの仕組みとそうした思想は相性が悪いといえますので、EAを使ってFX取引するときは神経質になりすぎないようにしましょう。
◆まとめ
今回はXMのFX取引でEAの導入が失敗する事例を紹介していきました。失敗する理由のすべてではありませんが、失敗するときは上記のいずれかに抵触している可能性がありますので、参考にしてみてください。
いずれの失敗事例にも言えることですが、EAは成功が約束されたツールではありません。あくまでも人間がくみ上げたツールであり、プログラムに沿って正確に処理はしますが機能そのものは不完全です。不完全な個所は運用する人の手によって補う必要がありますので、EAを使用するときは、自分も考えて行動する必要があることは理解しておいてください。