取引をするうえで注意しなければいけないのが「証拠金」です。FXで自分のお金を投入するようになると、資金を使うことに目がいきがちですが、リスクのあるFXでは取引に使わずにストックするお金もまた重要になります。そうした取引に使用せずに残しておくお金のことなどを「有効証拠金」とよびます。今回は有効証拠金などXMで使われる証拠金について紹介します。
◆有効証拠金などXMで使われる証拠金
・有効証拠金
有効証拠金は現在どれくらいのお金が口座内にあるのかを示す、証拠金のことです。計算式は「残高+クレジット+評価損益」となっています。有効証拠金ときくと「口座の中にたくさんお金が入っている」という状況をイメージするかもしれません。ですが状況次第では口座に全くお金がない状態でも、有効証拠金の数値が良いというケースもありますので気を付けてください。
要因の1つは「クレジット」。XMでは入金ボーナスや口座開設ボーナスがあるなど、クレジットを得られる機会が豊富にあります。そうしたクレジットは取引として使えるためありがたいのですが、ほとんどが一度きりしか使えないことから、「今使うのは勿体ない」という心理が働き、ストックし続けるという人も少なくありません。
現金ばかり使ってクレジットを残していた場合は現金こそ少なくなるものの、クレジットが残っているため有効証拠金の数値は高くなります。
要因の2つは「含み益がたくさんある」ケースです。FXとは違いますが「黒字倒産」という言葉はご存じでしょうか。売上および利益が十分に出ているにもかかわらず売掛金などが多いために、現金が不足してしまい倒産するという現象をさします。黒字倒産ほど極端ではありませんが、有効証拠金でも似たようなことが起きます。たくさん取引をして現金が少ない状態でも取引で得た含み益がたくさんあれば、有効証拠金の数値が高くなるのです。
・必要証拠金
XMはレバレッジをかけての取引となるため、レバレッジつまり梃子の元となる資金を用意しなければいけません。このときのもととなるお金が必要証拠金です。
たとえば110円のドル円を3ロット(30万枚)入手するとします。レバレッジが100倍であれば「110×300,000÷100=330,000円」となり、必要証拠金は33万円となります。
取引においてレバレッジの高さは重要になるといわれており、必要証拠金はとくにレバレッジの影響が大きいです。一般的にレバレッジが大きくなるほど必要証拠金は少なくなります。先ほどの例ではレバレッジを100倍にしましたが、100倍から500倍にすると証拠金は5分の1となり、金額も6万6千円にまで下落します。
また必要証拠金が少なくなるほど取引で得られ、ロット数は大きくなっていくので取引の幅が増えていくようになります。
・余剰証拠金
「余剰証拠金」は、「口座にどれくらいの余裕があるのか」を示す証拠金です。有効証拠金と意味が似ていますが、計算式に表すと「有効証拠金−必要証拠金」となるように別物です。口座で使える証拠金から現在取引している資金を差し引くことになるため、「本当はどれくらい資金に余裕があるのか」がわかるようになります。
余剰証拠金の数値が高いと口座のお金に十分な余裕があることを示しますがほかにも影響を与えることがあります。それが「心の余裕」です。余剰証拠金が十分にあると資金がバッファ(緩衝材)のような役割を果たして精神面に余裕が出るようになります。
精神的な余裕が大きく響くのは「損失が出たとき」です。資金に余裕がない状況で損失が出ると資金繰りが苦しくなるだけでなく、精神的にも追い詰められます。しかし余剰証拠金が十分にあると「損失を出してもなんとかなる」という心理が働き、精神的に余裕が出てくるようになります。
人は焦った状況に置かれるとよいパフォーマンスは出せません。ですが余剰証拠金が潤沢にあれば焦りが少なくなり、厄介な状況でも適切な対応がとれるようになります。
◆XMで有効証拠金が下がるとどんなことが起きる
・ロスカットが発生する
取引を続けていて含み損が増えるようになると、どういった影響が発生するのでしょうか。起こりえる可能性の1つは「ロスカットが起きる」ことです。有効証拠金は含み益や含み損で変わりますが、必要証拠金は取引するのに最低限用意しなければいけない資金であることから、含み損が出ても変化はしません。
そのため追い込まれる状況になると、有効証拠金と必要証拠金の差が小さくなり、結果として証拠金維持率の数値が小さくなってしまい、すべての取引が強制的に終了するロスカットが発生するようになります。
・ゼロカットが発生する
ロスカットにより強制的取引を終了すると、ポジションを保有しなくなるので、損失が増えることはありません。逆にいう今抱えている含み損が顕在化するので、状況次第では有効証拠金が一気に削られてしまうことがあります。
有効証拠金が一挙に減少したら金額的にマイナスになることもあります。そうした状況で起きるのがゼロカット。有効証拠金がマイナスになったらXM側が清算をしてゼロにまで戻してくれます。ゼロカットは口座的にはマイナスになることはありませんが、少なくないダメージを抱えることになりますので気を付けてください。
◆まとめ
証拠金と聞くと有効証拠金をイメージする人が多いですが、証拠金はそれだけではありません。取引で最小限用意しなければいけない必要証拠金や、有効証拠金と必要証拠金の差額である余剰証拠金など様々な証拠金が存在しています。
証拠金という言葉を使うときはどの証拠金を示しているのかをしっかりと考えてから使うようにしてください。また有効証拠金が潤沢にあると様々な取引ができるだけでなく、精神的な余裕をもたらすことにもなります。そのため取引するときは有効証拠金に余裕をもたせて取引したほうがよいです。