同一の通貨ペアで買いポジションと売りポジションの両方をもつ両建ては、XMにおいても原則禁止されています。ですが特定の条件下でのみですが、両建ては認められています。両建てをする機会は限られていますが、一体どのような条件下で有効となり、またどのような事情で利用することになるのでしょうか。ここでは両建ての禁止と許可について説明していきます。
◆XMで禁止されている両建てと禁止されていない両建て
XMなどFXでは両建てが禁止にされていることも多く、XMもまた例外ではありません。ですがとある条件を満たせば両建てがおこなえるようになります。
・複数の口座を使った両建ては禁止
XMでは最大8つまでの口座をもてるのですか、複数の口座間で両建てをすることは禁止されていますので気をつけてください。口座間で両建てができないのはゼロカットという仕組みがあるからです。両建ては運用している状態で価格が下落ないし上昇が発生しても損失と利益が相殺されるので、通常であればトレーダーが利益を受けることはありません。
ですがゼロカットはトレーダーが受ける損失を一定額にまで抑えられるので、両建てと合わせて使用されるとトレーダー側が一方的に得となってしまうのです。取引の公正さが失われてしまうことから口座間での両建ては禁止になりました。
・ほかの業者との両建て行為も禁止
禁止されている両建て行為はほかにもあり、それが「他の業者との組み合わせて両建てをする」というものです。XMだけでなくほかのFX業者の口座を作成しているという方も少なからず存在しています。複数の業者で口座を持つ人の中には、ある口座で売りポジションをもつ一方で、ほかの口座では買いポジションをもつなど、業者をまたいでの両建てをする方がいます。こうした複数の業者を利用した両建て行為は禁止されていますので気をつけてください。
「業者が違えばバレることもないのでは」と思われるかもしれませんが、XM以外でもゼロカットの仕組みを採用しているFX業者もあることから、業者間でトレーダー情報を共有しているので油断はできません。とくに気をつけてほしいのか自動売買システムを採用している場合。すべての口座で運用している通貨ペアを把握している人はまずいないので、自動売買により意図しない両建てに遭遇することがあるからです。
・同じ口座での両建ては禁止されていない
XMでは両建て行為が原則禁止となっていますが、じつは「同じ口座内」であれば両建てをすることは可能です。その理由は「XMの運営側が損をしない」ということにあります。両建ては売りポジションと買いポジションの両方をもつことになるので、通貨ペアの価格が上昇ないし下落したとしてもXMが受ける損失がないためです。どんなに取引をしてもXMの運営側にダメージを与えないことから、同じ口座間でのみ両建てをするのが認められるようになりました。
ただし同一口座ないで両建てをするのはあまりメリットがなく、特定の目的を持ったとき以外で利用することがないことは覚えておいてください。
◆XMにて禁止されていない両建てをする理由
XMでは同一口座でのみ両建てが許可されています。ですが通常の取引でも十分に利益が得られる中で、両建てをするのはどんな理由があるのでしょうか。
・トレンドが読みにくい場合
相場が上昇トレンドあるいは下降トレンドに向かっている段階であれば、流れに合わせて決済をすれば比較的簡単に利益を獲得できますが、相場がレンジ相場に突入したり転換期を迎えたりしたときは相場が読みにくくなり、利益の獲得が困難となります。そうした状況になったときは両建てをしてとりあえず様子見をするという方法が有効です。
両建てをしている限りはポジションの含み損と含み益が相殺されるので、相場がどう変化しようともトレーダーが損失を被ることはありません。 とりあえず両建てによって安全地帯を作ったあとに、相場を読んで適切な行動を取れば利益をあげられる可能性が高くなります。
たとえばレンジ相場では一旦、売りポジションと買いポジションの両方をキープして、下降トレンドに転じたのを確認したら 買いポジションだけを決済して、損失をできるだけ抑えつつ取引を継続します。売りポジションはそのまま保有しているので下降トレンドによって含み益はどんどん拡大していき、含み益が充分に貯まったのを確認してこちらも決済をすれば、通常の方法よりもある程度安全に取引がおこなえます。
ただしこの方法は相場を読む力が求められますので、その点には気をつけてください。
・塩漬けになっているものがある場合
取引を多くしていれば、保有しているポジションで含み損を抱えてしまうこともがります。含み損の被害を抑えたいときは、早め決済すればよいのですが、「損をしたくない」という心理によってなかなか決断ができず、そのまま塩漬け状態になってしまうことも珍しくはありません。塩漬けになりどうすればいいのか困ったときは両建てを使って損失を相殺する方法がオススメです。
同ロット数で両建てをしていると証拠金が不要になるので含み損を抱えたポジションでもキープしやすく、両建てによってトレンドがどう変わろうとも適切に運用すれば利益を獲得できるので、塩漬けにした含み損もある程度相殺できます。
含み損を完全に相殺することはできませんが、ある程度の軽減はおこなえますので、塩漬けして困っているときは試してみてください。
◆まとめ
違反行為とされている両建てですか、同一口座でのみ運用するなどルールを守っている限りはXM側もとがめてくることはありません。ただし両建ては売りと買いの両方のポジションをもつことから、ロット数が同じだと損失だけでなく利益も発生しなくなるので、利用する機会は限られているといえます。言い換えれば特定の場面ではかなり役に立つことになりますので、利用するときは禁止行為に抵触しないように注意しながらおこなってください。