XMのゼロ口座はスキャルピング用に作られた口座であり、スプレッドが狭くなっているのが特徴です。ただしスキャルピング用の口座の場合は取引手数料というのを別途徴収していることもすくなくありません。XMのゼロ口座も例外ではなく取引手数料を取っています。一見すると嫌な感じの取引手数料ですが、少し見方を変えるとメリットになったりします。取引手数料にはどういったメリットがあるのでしょうか。
◆XMのゼロ口座の手数料に関するメリット
ゼロ口座で手数料があるがために出現したメリットというのがあります。
・手数料があることの公正さ
ゼロ口座の手数料は嫌だという人も少なくありませんが、明確に示していることがメリットとなるケースもあります。それが「徴収される手数料が明確である」ことです。ゼロ口座は取引の片道につき約5ドルの手数料を徴収されます。一見するとよいものとは思えないでしょう。ですがあらかじめ徴収する手数料を決めていると、どんなことがあってもとらえる手数料が変わらないことにもなります。
国内FXの場合はスプレッドが狭く手数料を徴収することもありません。ですが国内FXではスリッページが発生したり、取引直前でスプレッドが変動したりと取引に不透明な個所も多くあります。
国内FXも営利企業であるため、公表しないながらも取引をするトレーダーから手数料などを徴収しています。ただし公表していないためどれくらいの手数料を取っているのかはわかりません。XMのゼロ口座の手数料よりも少ない可能性もありますし、多いという可能性もあります。
取られる手数料は少ないほどトレーダーは利益を得られるのですが、公表されないところがあるため、国内FXで得られる利益に関しては不透明なところとも多いです。
ではXMのゼロ口座はどうでしょう。一見すると徴収される手数料は多いかもしれませんが、あらかじめ公表されていることは、それ以上とられないことを意味します。そのためXMのゼロ口座は利益の計算がしやすく、トレーダーにフェアな環境を提供していることになります。
・約定速度が速い
NDD方式の1つであるECN方式を採用しています。ECN方式とはブローカー(この場合はXM)の介入を一切しない方式のことです。トレーダーのだした注文が取引市場へ直に送り込まれることから、無茶な注文でない限りは約定するまでの速度がかなり速くなります。
統計では99%以上の注文が1秒以内に決まるといわれており、注文を出したら即座に決まるといっていいでしょう
ゼロ口座はスキャルピングやデイトレードなど、取引回数の多いトレード手法を使いたいときによく使用される口座です。スキャルピングやデイトレードは約定速度が大切な取引であるため、ほぼすべての取引が1秒以内で終わるゼロ口座は相性がとくによいといえます。
とはいえXMも営利企業なので、取引をしたらトレーダーからお金を取らなければいけません。ゼロ口で発生する手数料はゼロ口座を維持するために必要な手数料、と思うようにしてください。
◆手数料以外にあるXMのゼロ口座で気を付けるところ
取引手数料以外にもデメリットがありますのでここで見てみましょう。
・最低入金額が高い
ゼロ口座はほかの座よりも狭いスプレッドとなっているのですが、最低入金額がほかの口座よりも高くなっているので気を付けてください。スタンダード口座やゼロ口座は最低入金額が500円となっているのですが、ゼロ口座のみ最低入金額が1万円となっています。
基本的に入金操作をすると銀行側で手数料がかかるため500円ずつ入金する人はまずいないかもしれません。ですがXMのスタンダード口座は500円単位で入金がおこなえるのに対して、ゼロ口座は1万円単位でないといけないなど、入金ルールがややしにくくなっていることには注意が必要です。
入金額の上限に関しては、スタンダード口座とゼロ口座はともに設けられていませんが(たいていは入金する側で制限がかかっている)、何円単位で入金できるのかは覚えてください。
・すべてのスプレッドがゼロになっているわけではない
ゼロ口座はスプレッドがほぼゼロになっていることから、ゼロ口座といわれますが、すべての通貨のスプレッドがゼロになっているわけではありません。たしかにドル/円やユーロ/ドルなどの通貨のスプレッドはほぼゼロになっています。
ですがユーロ/南アフリカランドの平均スプレッドは106.0pips、イギリスポンド/デンマーククローネの平均スプレッドは20.0pipsになっているなど、通貨によっては1.0以上のスプレッドが設定されています。
メジャーな通貨と比較してマイナーな通貨はスプレッドが高めになっており、そうした性質はゼロ口座も例外ではありません。実質的にゼロとなっているスプレッドはメジャーな通貨ペアだけであり、マイナーな通貨に関してはスプレッドがしっかりと設定されています。それでもスタンダード口座やマイクロ口座よりもスプレッドは狭くなっています。マイナーな通貨でスキャルピングするときは、通常の口座と同じくスプレッドに注意して取引をおこなうようにしましょう。
・取り扱う項目が少ない
XMのゼロ口座は手数料が発生する以外にも、取引項目が少ないというデメリットがあります。スタンダード口座の場合は、57種類もの通貨ペアを取り扱うことができ、さらにコモディティ・株式・仮想通貨のCFDも取引対象です。対してゼロ口座の場合は56種類の通貨ペアが取引対象であり、通貨ペア以外ではコールド・シルバーも取引可能となっています。通貨ペアでは1種類、CFDに関しては多くのものが取引対象から外れていることになります。もしもCFDを扱いたいときは、ゼロ口座ではなくスタンダード口座を利用しなければいけません。
◆まとめ
取引手数料が発生するというのは、一見するとデメリットにしかなりません。ですが取引手数料の料金を公開しているため、それ以上お金を取られる心配がないというメリットや、約定速度がかなり早くなっているなどのメリットが存在しています。取引手数料とは異なりゼロ口座のメリットは一見すると気づきにくいのが特徴です。ゼロ口座を扱うときはそうした見えないメリットも意識して運用してみてはいかがでしょうか。