XMではMT4とMT5の2種類のプラットフォームが選べるようになっています。ですが両者は名前や機能は似ているもののシステム的には互換性がなく、口座開設時に選んだのを後で変えることはできないようになっています。口座を作るときはMT4とMT5どちらのプラットフォームを使ったほうがいいのでしょうか。プラットフォーム選びの参考にMT4とMT5のそれぞれのよいところをまとめてみました。
◆XMで使うMT4がMT5より優れているところ
MT4はMT5よりも先に登場したプラットフォームであり、多くのところで使用されていることから、さまざまなメリットをもっています。
・EAの種類がMT4は豊富
MT4がMT5より優れている点はEAが豊富にあるという点です。EAはFX取引を自動でおこなってくれるプログラムで、感情が入ることがないので安定した取引がおこなえます。MT4とMT5でもEAのプログラムはあるものの数自体はMT4のほうが圧倒的に多くなっています。
MT4のほうがMT5よりEAの数が多い理由の1つはプログラム言語の違いです。MT4とMT5のEAは「MQL(Meta Quotes Language)」というプログラミング言語で作成する必要があります。ですがMT4とMT5では同じMQLではあるもののバージョンが異なっているのが特徴です。両者のバージョンでは互換性がほとんどありません。
WindowsXPとWindows7は互換性があってもプログラムを大幅に書き換える必要があったように、互換性のないプログラムでは乗り換えには多大なコストを要します。そのためMT4で運用していたEAを安くMT5向けに変更することはできず、新規に作成しなければいけないことからMT5のEAはMT4より少なくなっています。
・MT4の使用を推奨しているFX業者が圧倒的に多い
XMではMT5とMT4の両方を使えますが、ほかのFX業者では独自のプラットフォームを使用するかMT4だけの使用を認めていないことから、MT4の使用率はMT5よりも圧倒しています。MT4とMT5はともにロシアの会社であるメタクオーツか開発したプラットフォームです。両者を開発したメタクオーツ社は現在MT5の普及に力を入れており、MT4は公式サイトからダウンロードできないようにするなど対策を勧めています。
ですが多くの業者がすでにMT5を使っているような状態でしたら、メタクオーツ社はMT5の普及に力を入れることはしません。普及に取り組んでいるということは裏を返せば、まだまだMT5を使うFX業者は少なく、MT4が主流になっているということになります。
◆XMで使うMT5がMT4より優れているところ
MT5はMT4をベースに開発されたプラットフォームであることから、MT4で指摘されていた箇所がほぼすべて改善されています。
・MT5は今も技術更新がなされている
MT5は今もアップデートがおこなわれており、使い勝手のよさやパフォーマンスを向上させています。MT4が誕生したのは2004年であり、MT5が誕生したのは2010年とそもそも誕生した時期が違います。MT4も誕生してから数年は頻繁にアップデートを繰り返したことにより、性能はどんどんアップしていきました。ですが現在はほぼ完成されたため、2017年以降は一切アップデートされていません。
MT5が誕生したのは2010年と比較的最近です。そのため改善の余地はまだまだあり、2018年以降もアップデートが繰り返されています。処理速度など使い勝手のよさはMT5に軍配が上がっており、両者の差はこれからも開いていくといってよいでしょう。
・MT5のほうが処理速度が早い
MT5はMT4よりも処理速度が早くなっています。MT4自体も決して遅いというわけではないのですが、コンパクトサイズになることを重要視した影響で、処理速度が遅くなることがあります。MT5はそうしたMT4のよくない点の改善を重視した結果として、処理速度の向上などに成功しました。とくにトレード手法の1つであるスキャルピングは注文回数が多いことから約定率の高さだけでなく、処理速度も重要なファクターとなりますのでスキャルピングしたいときはMT5のほうがオススメです。
「MT5はサイズが大きくなった分、性能のよいパソコンじゃないと力が発揮できない」と言われていますが、現在ではそうとも限りません。実際にMT5はMT4よりも性能のよいパソコンが必要です。ですがそれは2010年段階での話であり現在ではほぼ解消されています。MT5を扱う場合、パソコンのメモリは1GB以上あることが推奨されていますが、現在のパソコンは8GBから16GBほどのメモリが主流であり、性能が低いパソコンであっても4GBはあるため、現在の環境ではとくに気にする必要はありません。
・ナビゲーターウィンドウが充実しているもの
MT5はMT4よりもナビゲーターウィンドウの使い勝手が良くなっています。ME4ではすべての項目を同じ階層で表示しているため、やや使いにくくなっていました。表示している項目は10種類以上あるのに対して使う項目は数種類ほどしかないので、使用したいものが探しにくくもなっています。
MT5ではMT4の使いにくさを反省したのか、項目別に複数の階層が設けられるようになりました。使うときは不必要な項目を閉じたままにできるようになったので使い勝手も向上しています。
気配値ウィンドウに関してもMT4では通貨ペアリストとティックチャートだけですが、MT5ではプライスボートや詳細タブが追加されており、こちらも使い勝手などがアップしました。MT5ではこういった改善が各所で見られるので探して見るのもおもしろいかもしれません。
◆まとめ
MT4は広く使われていることからEAの種類が豊富にある反面、反応速度やユーザビリティが低いという性質があります。MT5は逆に反応速度やユーザビリティが優れている反面、プログラム言語の事情などにより使えるEAが少ないのが特徴です。MT5はMT4のあとに開発されたプラットフォームですが、それぞれに長所と短所があることから適切なものが異なっています。口座を作るときは、両者の違いを考慮してどちらを使うのか選ぶようにしましょう。