FXにおける注文は「指値注文」と「成行注文」が基本です。基本であるため、たいていのことはこの2つで済ませられるようになっています。今回紹介したいのは指値注文でもなく、成り行き注文でもない「逆指値注文」。逆指値注文はどういった注文であり、どのようなことを狙って実施されるものなのでしょうか。ここではXMでの逆指値の注文の仕方を含めて説明していきます。
◆XMでできる逆指値とは
まずは逆指値のことについてです。通常の指値注文と成り行き注文とはどういった点が違うのでしょうか。
・通常とは逆のことをする逆指値
逆指値も通常の指値注文と同じく価格を指定して注文をおこないます。唯一違うところがあるとすれば、逆指値は「注文する価格の変動ルールが異なる」ところです。FX取引の基本は「保有しているものが、高い値段を付けられたら売る」ことです。
実際に500円で入手した通貨が、510円の価格になったら「510円の価格を指定して指値の売り注文」をおこないます。こうすれば差分である10円が利益としてトレーダーの手元に残ることになります。
逆指値でおこなうことは指値の時とは逆です。トレーダーが指定した価格よりも高くなったら「売り注文」をおこなうようにします。先ほどの例を使えば「490円になったら売り注文を出す」となるでしょうか。
・逆指値はリスク対策としておこなわれる
利益を得ることがFXの目的であるならば、トレーダーは指値注文をするだけで大丈夫です。むしろ逆指値の注文は成立してしまうと利益はえられません。それなのに逆指値という手法はどうして存在しているのでしょうか。
理由としては「リスク対策」が挙げられます。逆指値自体は単独でおこなう意味はあまりないかもしれませんが、通常の指値注文とおこなうならば話は別です。たとえば「1000円で保有している通貨が、1020円になったら指値の売り注文をだして、990円になったら逆指値の売り注文を出す」というのを設定してみたらどうでしょうか。指値注文が成立すれば20円の利益を獲得し、逆指値の注文が成立すれば、10円の損をすることになります。
FX市場は常に上がったり下がったりしているので、気づかないうちに大幅に価格が下がることも少なくありません。ですが逆指値の注文を出しておくと、トレーダーが気付かないうちに価格が下がったとしても注文が自動的に発動してくれるため、トレーダーが受けるダメージを少なくしてくれます。
・成行と逆指値の違い
「損切をするならば逆指値よりも成行のほうがいいのでは」と思っている方もいるでしょう。成行と逆指値の2つにはどういった違いがあるのでしょうか。
成行は「注文を出したら即座に約定される」注文です。こちらで価格を指定することなく、相手が取引市場などで提示した価格にて注文が実行されるため、即効性の高い注文となっています。取引市場での注文がゼロでない限りは注文がほぼ確実に成立するため、可及的速やかに損切をしたいときは成行での注文がおすすめです。
逆指値は「価格が一定以下/以上になるまで何もしない」注文です。「価格が990円以下になれば売り注文を出す」というように、注文したい価格をこちらで提示することになります。価格をキーにして注文がおこなわれるため、条件を満たさないと何もしません。逆指値は即効性こそ成行に劣りはするものの、何もしない期間があることから、状況の様子見ができたり、トレーダーが現状をいちいちチェックしなくすんだりといったメリットがあります。
逆指値と成行はやり方こそ違いますが、明確に使い分けるものでもなかったりします。実際に取引する人の中には「価格がxxx円にまで下落したら成行の売り注文をだす」といった注文をすることがあるため、逆指値と成行は性質の違いだけ覚えていれば大丈夫です。
◆XMでの逆指値のやり方
逆指値の意味が分かってきましたので、今度は逆指値自体のやり方を紹介します。
・逆指値の注文方法
XMの逆指値のやり方を見ていきましょう。まずはXMの取引用のプラットフォームであるMT5あるいはMT4を起動してログインしましょう。ログインに成功したら、画面上部にあるメニューバーにある「新規注文」のアイコンをクリックします。アイコンをクリックすると注文画面が表示されますので、タイプを「成行」から「指値」に切り替えて指値専用の画面に切り替えてください。
指値専用の画面になると「タイプ」の項目とはことなる「タイプ」という項目が追加で表示されます。こちらで逆指値の注文がおこなわれます。買い逆指値をしたいときは「Buy Stop」、売り逆指値をしたいときは「Sell Stop」をそれぞれ選ぶようにしましょう。最後は逆指値のキーとなる価格を指定し、「注文」ボタンをクリックすれば完了です。
なおここではリアル口座でのやり方を紹介していますが、デモ口座でも同じやり方でおこなえますので試してみてください。
・逆指値をするときの注意点
XMでは逆指値注文がおこなえるものの、実際におこなうときには1つだけ注意点があります。それは「設定できる価格に制限がある」ことです。逆指値では注文を発動する価格をトレーダーが決めることになるのですが、現在価格の10pips以上離れた価格は設定できないようになっています。
逆指値自体が主にリスク管理として使用されますが、数円単位も離れた状態で注文できてしまうとリスク管理の体をなさないため、数pipsという制限が設けられるようになったのだと思われます。
◆まとめ
逆指値は通常の指値注文とはルールが異なる注文です。そのままでは利益を上げることはできませんが、リスク管理として通常の指値注文と組み合わせることで効果を発揮します。ですが扱いが少し変わっているため、いきなりリアル口座で扱うと思わぬ事態を引き起こすことがあります。
デモ口座でも逆指値はおこなえますので、「逆指値を使ってみたい」というときはまずデモ口座で感覚をつかんでからおこなったほうがよいかもしれません。