通貨の歴史は石に始まり、金や銀などの貴金属で作られるようになって、現在では口座内の数字だけになるなど、いろいろな形に変化しています。仮想通貨はそうした通貨の変化によって生まれたものの1つであり、バーチャル空間にある通貨のことです。以前はXMでもCFD取引対象となっていたのですが、現在は取引できない状態となっています。今回はそうしたXM内における仮想通貨の現状について解説していきます。
◆XMではいつから仮想通貨が取引できないようになった?
仮想通貨は取引できる時期とできない時期を繰り返しているのですが、今回はいつから取引できないようになったのでしょうか。
・2020年5月より仮想通貨は取引できない状態になった
XMではビットコインやビットコインキャッシュ、イーサリアムなどの仮想通貨の取引がおこなえました。ですが2020年5月よりすべての仮想通貨が取引停止となり、現在は新規の購入や売却などがおこなえないようになっています。
なお禁止になっているのは「新規」の買い注文や売り注文であり、「すでに入手している」仮想通貨に関しては禁止などになっていません。現在所有している仮想通貨に関しては自由に扱えるようになっています。取引禁止になってはいますが、価格の変動は現在でもおこなわれています。そのため価格のチェックは忘れずにおこない、利益が得られるタイミングになりましたら、現在所有している仮想通貨の処分をするようにしましょう。
仮想通貨の取引に関してはいきなり停止されるのですが、同時に突然再開されることがあります。現在は突然停止させられたほうであり、今後の展開次第では仮想通貨の取引が突然解禁されることもありますので気を付けてください。
・入出金もできないようになった
仮想通貨の取引においてもう一つ大切なのが、「入金や出金でも仮想通貨がしようできる」こと。従来であればCFDとしての取引だけでなく、入金や出金の手段としても仮想通貨が使えるようになっていました。
ですが2020年5月より仮想通貨の取引だけでなく、仮想通貨を使った入金や出金に関しても禁止になりました。ただし仮想通貨は通常の通貨よりも価格変動が大きく入金したものの価値も大きく変わってしまうことから、FXの資金としては扱いにくい面があります。
そのため仮想通貨を入金や出金に使用する人はあまりいないみたいでしたので、こちらに関してはそれほど影響がなかったかもしれません。
◆XMで仮想通貨が取引できない理由
XMでは仮想通貨が取引できない種目となりましたが、そこにはどういった事情があるのでしょうか。
・裏付けのない通貨
仮想通貨がCFDの取引項目として選ばれない理由に「ボラリティが激しい」というのがあります。FXの世界でも後進国の通貨はボラリティが激しい通貨ではありますが、仮想通貨のボラリティはそれを大きく超えているといわれています。
仮想通貨のボラリティが激しい理由としてあげられるのが「保証がない」ことです。日本円であれば日本という国が、アメリカドルであればアメリカという国がそれぞれ通貨の価値を保証しています。そのため「通貨の価値=保証している国の価値」という図式が成り立つことから、通貨の価値が短時間で極端に変動することは原則的にありません。
ですが仮想通貨にはそうした保証がなく、通貨そのものが通貨の価値を決めています。そのため常に需要と供給によってのみ価格が決まるようになっており、保証してくれるところがないことから価格が極端に変動するようになっているのです。
余談ですが、昔の通貨の材質で金や銀などの貴金属が使われたのは「通貨の価値を通貨自体に保証させる」という目的があったためでした。仮想通貨もそうした昔の通貨と同じく自分自身で自分の価値を保証させるという性質をもっています。
・価値を測れない通貨
仮想通貨が抱えている問題は、裏付けがないというだけではありません。「価値尺度の性質をもたない」という問題も抱えています。通貨の役割には「価値尺度」、「流通手段」「価値貯蔵」の3つがあり、すべての要素を兼ね備えておく必要があります。
「価値尺度」は物の価値を表せるどうかを表すものです。例えば「お菓子が一袋100円」やなど対象の価値をその通貨を使って示せれば価値尺度の条件を満たしているといえます。
「流通手段」は交易や交換などで使用できるかどうかを表すものです。「100円を払えばお菓子が買える」など通貨によって様々なものが購入できれば流通手段としての性質があるといえます。
「価値貯蔵」は貯蔵することに意味があるかどうかを表すものです。「3000万円貯蓄しているのでお金が十分にある」など対象の通貨を貯蓄することに意味があれば価値貯蔵の条件は満たしていることになります。
仮想通貨で問題になるのが「価値尺度」の性質です。仮想通貨にはいろいろありますが、いずれも価値尺度の機能を十分に果たしていません。価値尺度の性質を満たすのに欠かせないのが「通貨の安定性」。ものの価値とは通貨の価値との相対的な関係にあり、通貨の価値を基準にして図るようにします。この時に欠かせないのが、基準となる側の安定性です。基準となる通貨の価値が常に同じ状態でないと、ものの価値というのは測れません。
ですが仮想通貨はボラリティが激しいことから基準となる通貨の価値が容易に上がったり下がったりします。そのため仮想通貨だけでは物の価値というのは測れないことになります。
◆まとめ
仮想通貨自体はインターネット技術の発展によって誕生した通貨であり、国家でなくインターネットユーザーによって管理させるなど、従来の通貨で抱えていた問題の解消を目指した通貨でもあります。ですが国家による保証がないことから価格が不安定になりやすく、通貨としての有用性が乏しいなど、ほかの通貨にはない課題も多く抱えているのが特徴です。
そうした不安定さはボラリティというメリットを生み出すものの、リスクも大きいということからXMでも取引できないようになりました。不安定さを解消した仮想通貨が出てくれば変わるかもしれませんが、現在の仕組みでは再開するのは難しいといえるでしょう。