「レバレッジが高いほどロスカットが起きやすいから、初心者は下げてから取引したほうがいい」と言われますが本当でしょうか。たしかにレバレッジが高いほどリスクとリターンが大きくなります。ですがレバレッジによって変わるのはあくまでも自分がもっている資金の金額だけなので、「高レバレッジ=ハイリスク」というのは早計です。高いレバレッジは本当にロスカットが起きやすくなるのでしょうか。XMのレバレッジ888倍の場合を調べてみました。
◆XMの888倍レバレッジではロスカットがおきにくい
888倍ものレバレッジが仕掛けられるとロスカットは起きやすいとみなされることも多いですが、一概にそうとは言い切れないみたいです。
・1ロットだけならばロスカットが起きにくい
888倍のレバレッジ画を仕掛けるとロスカットが起きにくいと言われていますが、実際には起きにくいと言えます。1ロットだけ通貨を入手したときで考えてみます。
手元の資金は100万円で、100円の通貨を1ロット分である10万枚入手したとしましょう。XMの場合は必要証拠金が20%以下になるとロスカットが発生します。仮にレバレッジを100倍とすると、必要証拠金は10万円となり、98万円までの損失ならばロスカットが発生せずに持ちこたえることになります。
今度は888倍のレバレッジで考えてみましょう。888倍のレバレッジでは必要証拠金が1,1261円となりますので、ロスカットが発動するまでは99万7800円まで損失を受け入れられることになります。このようにレバレッジを888倍にすると、100倍のときよりも用意しなければいけない必要証拠金が少なくなることから、ロスカットが起きにくいのは888倍の方だと言えます。
・運用方法次第で888倍はロスカット率が上がる
取引量が1ロットだけであればレバレッジの高いほうがロスカットは起きにくくなりますが、今度はレバレッジの数値に応じてロット数を増やしたらどうなるでしょうか。888倍のレバレッジ側はロット数を10個として考えます。今度は証拠金が約11万円となり、今度は約97万7千円以上の損失でロスカットが起きるように変化します。
1ロットだけだとレバレッジが高いほどロスカットが起きにくくなりますが、このようにレバレッジが高いと多くのロット数を所有できることになるので、思わぬリスクを抱えることもあるので注意が必要です。ただし高レバレッジのよいところは「少ない資金でたくさん取引ができる」ことです。警戒しすぎたことで取引量を少なくしてしまうと、レバレッジが高いことで得られる恩恵が消えてしまうこともあるので、そうしたバランスは考慮しての取引の実施が大切となります。
◆XMの888倍レバレッジでロスカットを防ぐ方法
888倍ものレバレッジを設定しつつもロスカットを防ぐにはどんな方法があるのでしょうか?
・ロスカット防止目的で追証をする
ロスカットの発動条件は証拠金維持率が20%以下であり、証拠金維持率の計算式は「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」となっています。ここで注目するのは有効証拠金。証拠金維持率の計算をするときの分子側に位置する数字であることから、数字が大きくなればなるほどロスカットの発動が遠ざかることになります。ロスカットをどうしても避けたいとき資金を投入して有効証拠金を増やすようにしましょう。
なお、こうしたロスカット防止目的での資金投入は「追証」と呼ばれる行為となります。FX業者によって追証は義務として要求されます。ですがXMでは義務にはなっていないので、運営側から求められることはまずありません。とはいえ実施してはいけない行為でもないので、追証をすること自体は認められています。
・取引をやめる、取引するロット数を減らす
ロスカットを防ぎたい場合は取引をやめたり取引するロット数を減らしたりする方法も有効です。ロスカットは強制的に取引を終了させる行為なので、取引自体をしていなければ発動することはありません。そのためある程度損失を抱えてしまったときは、ロスカットが起きる前に自分から終了させてしまえば、ロスカットの発動を防げます。
また損失の大きさは取引した通貨の価格よりもロット数のほうが大きく関係するようになります。1ロット所有している100円の通貨が10円分下落するのと、10ロット保有する通貨で1円分の価格が下がるのは同じです。ですが100円の通貨が10円以上下がることは経済的に大きな出来事が発生しない限りはありえませんが、100円の通貨が1円ほど価値が下がるというのは場合によってはありえます。そのためロスカットが起きそうなときは所有しているロット数を減らすという方法でも対応は可能です。
・重要な経済指標時は警戒をする
XMでおこっているFX取引は需要と供給だけで価格が決まっているわけではありません。アメリカの雇用統計発表や住宅販売件数などの経済指標の発表にも影響を受けるようになっており、それらの発表後に大きく価格が変動することもありあります。一概には言い切れませんが、予想よりも悪い発表がおこなわれると通貨の価格が大きく下落するケースもあるため、価格に大きな影響を与えるような発表がおこなわれたときは、安全のために取引を終了させるあるいは減らすという方法も有効です。
また経済指標の発表は人々の予想よりもよい数値であると相場が急激によくなるケースもあるので、発表内容次第では何もしないあるいは取引を拡大させたほうがよいこともあります。
◆まとめ
一般的にレバレッジが高いほどロスカットが発生しやすいと言われていますが、正確ではありません。「高レバレッジだと少ない資金であっても、扱えるロット数が多くなるためにロスカットが起こりやすくなる」というのが正しいです。
XMでは888倍という高いレバレッジが設定できるため、ロスカットが起きやすいと危惧されやすいですが、取り扱うロット数を少なくしたりすればロスカットは起きにくくなります。一応888倍のレバレッジから下げれば必然的に扱えるロット数も下がるので、ロスカットは起きにくくなりますが、取引内容をしっかりとコントロールできれば、888倍のレバレッジであっても問題ないことは理解しておいてください。